公務員試験

高卒で消防士になるには?高卒のメリットや大卒との違いを解説

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この記事を最後まで見れば、高卒で消防士になる方法や注意点がわかります。

なぜなら私自身、高校時代に消防官採用試験を受験し合格、高卒で消防士になったからです。


記事の前半では高卒で消防士になる方法や試験の概要、記事の後半では大卒消防士との違いについて解説していきます。


この記事の執筆者

  • 元消防士
  • 高卒ストレートで消防官採用試験合格
  • 政令指定都市の消防本部で消防隊と救急隊で7年勤務


まずは『高卒で消防士になる方法を知りたい』という方は、高卒で消防士になる4ステップをクリックして該当箇所まで飛んでください!


高卒で消防士になるメリット3つ

私が実際に高卒で消防士になって、よかったと思うことは以下の3つです。


高卒で消防士になるメリット3つ

  • 経験を積める
  • 給料を貰える
  • 体力がある


メリット1:経験を積める

火災などの災害現場では、経験がものをいいます。

過去の経験を元に、第六感が働くなんてことがしばしばあるんです。


高卒で消防士になれば、いち早く経験を積むことができ、同学年が大卒で消防士になった時には、かなりの経験値の差ができています。


現場で災害対応に当たりたいなら、高卒消防士が一番です。


メリット2:給料を貰える

高卒者の平均賃金は令和4年度で184.6万円です。

一方で高卒消防士は、平均で350万円ほどあり、平均よりかなり給料が高いことが分かります。


大学に進学する人は、バイトをして少ない給料で遊んだり生活をしないといけないですが、高卒で消防士になると、大学生に比べて自由に使えるお金が格段に多くなりますよ。


メリット3:体力がある

消防士は体力仕事です。

みなさんの中には、人生で一番動けていた時代は高校時代という方も多いのではないでしょうか。


大学に進学してもスポーツをしていれば体力面も心配ないでしょうが、大学生活をだらだらと過ごしてしまうと、消防学校に入校して高卒者との体力の違いに愕然とすると思います。


救助隊員になりたいなら高卒がおすすめ

救助隊員になりたい人は、特に高卒がおすすめです。


なぜなら、救助隊は消防士の中でも一番体力が必要なので、隊長クラスでも40代がほとんど。

救助隊員としての寿命があると考えると、できるだけ若いうちに救助隊員になって経験を積む必要があります。


実際、私が働いていた指定都市の消防本部では、救助隊長はほとんどが高卒者でしたよ!


高卒で消防士になるための4ステップ

高卒で消防士になるため方法を4ステップにまとめました。


消防士になる4ステップ

  • 受験する消防本部を決める
  • 学習方法を決める
  • 採用試験に合格する
  • 消防学校で約半年間の訓練を受ける


順にみていきましょう!


ステップ1:受験する消防本部を決める

まずは受験する消防本部を決めましょう。


受験する消防本部の選び方

  • 地元の消防本部
  • 指定都市以上の大きい消防本部
  • 給料がいい消防本部
  • 受かりやすい消防本部


小さな消防本部より都市部の消防本部の方が、給料が高い傾向にあります。


また、将来ハイパーレスキュー隊に入りたい人は、指定都市の消防本部か東京消防庁を受験してください。

理由は一つ、ハイパーレスキュー隊は指定都市と東京消防庁にしかないからです。



たなんちゅ

ちなみに私は地元で働きたかったので、地元の消防本部を受験しました。


ステップ2:学習方法を決める

受験する消防本部を決めたら、次に学習を方法を決めます。


学習方法2つ

  • 独学
  • 予備校


高卒者は、大学生や専門学生と比べて公務員試験対策にあてれる時間が少ないので、独学はけっこう厳しいです。

私も含めて高卒ストレートで合格した私の同期は、みんな予備校に通っていました。


消防士におすすめの予備校はこちらの記事で詳しくまとめています。


元消防士(予備校利用者)の私が予備校おすすめ7校を徹底比較

予備校名 料金 面接対策 通学or通信 校舎数(提携校含む) 資格スクール大栄 40万円 両方あり 92校 EYE 18万円 両方あり 3校 アガルートアカデミー 22万円 通信 7校 LEC 21万 ...

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ステップ3:採用試験に合格する

しっかり試験対策をしたら、あとは採用試験で合格を目指すのみです。


消防士の採用試験の難易度はそれほど高くはありませんが、人気の職業のため倍率は高め。

でも十分に対策をしたら、合格のチャンスはあります。


採用試験の詳細については、次章で詳しく解説しますね!


ステップ4:消防学校で約半年間の訓練を受ける

見事採用試験に合格したら、消防署での勤務が始まる前に、約半年間消防学校に入校します。


消防士として採用された人が消防学校に入るので、厳密には消防学校入校中も消防士と名乗って差支えありませんが、災害対応にあたるのは、消防学校を卒業してからです。


消防学校では次のようなことを学びます。


消防学校で学ぶこと

  • 法律
  • 礼式・部隊運用訓練
  • 火災防ぎょ訓練
  • 救助訓練
  • 救急の座学
  • 予防業務の座学


正直、半年間でこの内容を完璧に理解・できるようになるのは無理なので、各所属に戻ってからも、勉強・訓練の日々ですよ。



採用試験の詳細と対策方法

ここからは、採用試験の詳細と対策方法について確認していきます。


受験区分

消防士を含めた公務員試験の受験区分は、以下の3つに分けられます。


  • Ⅰ種、Ⅰ類、上級:大学卒業程度
  • Ⅱ種、Ⅱ類、中級:短大卒業程度
  • Ⅲ種、Ⅲ類、下級:高校卒業程度


受験区分は、自治体ごとに違いがあり、○種、○類、○級のような分けられ方をされますが、高校生は高校卒業程度の区分を受験すればいいでしょう。


また自治体によっては、受験区分が2つしかない場合や受験区分が1つの自治体もあります。

詳しくは、受験したい自治体のホームページを見てください。


試験内容は豊富

  • 教養試験
  • 論作文試験
  • 面接試験
  • 体力試験
  • 適性試験
  • 身体検査


消防官採用試験では、以上のような試験を受ける必要があり、試験種類が多いので、色々な対策をとる必要があります。


教養試験

公務員試験の教養試験は、出題範囲が広いのが特徴で、東京消防庁の教養試験はこんな感じ。


一般知能分野

  • 数的処理  判断推理・数的推理・資料解釈・図解解釈
  • 文章理解  現代文読解・英文読解


一般知識分野

  • 自然科学  生物、物理、化学、地学、数学
  • 人文科学  日本史、世界史、地理、文学・芸術、思想
  • 社会科学  法律、政治、経済、社会


ご覧のように、試験範囲は全科目・全範囲に及びます。

ただ問題の難易度はそれほど高くないので、学校で得意な科目、勉強している科目であれば、簡単に解くことができるでしょう。


論作文試験

  • 論文⇒大学卒業程度試験
  • 作文⇒高校卒業程度試験


論作文試験では、論文と作文に分かれており、みなさんが受験する高校卒業程度試験では作文試験であることが一般的。


ちなみに、論文と作文の違いはというと、

  • 論文:与えられたテーマに対して、客観的な事実を論旨に沿って提示したり、そのうえで自分自身の考えを盛り込む。
  • 作文:主には、受験者にとっての「公務員像」を問うようなものが多く、書き手の考えや体験したことを踏まえて記述する。


論文と作文では、作文の方が難易度は低めと考えて大丈夫です。


作文試験の例題

  • 消防職員として仕事をする中で、やりがいや充実感を得る場面がある一方で、困難に直面したり自分自身の思いどおりにならない場面もあります。どのような場面でも、市民の期待に応えられるよう仕事をするためには、消防職員として何が必要だと思いますか。あなたの考えを述べなさい。
  • 責任感を持って物事に取り組むことの大切さについて、自分自身の経験を踏まえて、あなたの考えを述べなさい。


面接試験

面接試験でよく質問される内容は以下のようなものがあります。


  • 志望動機
  • 採用されたら配属されたい部署
  • 今まで一番力を入れて取り組んだこと
  • 自己PR


志望動機はほぼ間違いなく聞かれますが、地元以外の消防本部を受験する方は、特に入念に回答を考えておいた方がいいです。


地元出身であれば、生まれ育った地元で社会貢献したいなど、理由が分かりやすいですが、地元以外の方だと、「なんでわざわざこの消防本部を受験したの?」と面接官もかなり突っ込んで質問してくることが予想されます。


消防士の面接試験でよく聞かれる質問とその回答例は、こちらの記事でまとめてるので参考にしてください!

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体力試験

東京消防庁の体力試験はこんな感じ。


  • 1km走
  • 反復横跳び
  • 上体起こし
  • 立ち幅跳び
  • 長座体前屈
  • 握力
  • 腕立て伏せ


体力試験の内容は、学校で行う体力テストとほぼ同様の形式です。


体力試験の詳細は、こちらの記事を見ればよくわかりますよ!

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適性試験

適正検査で主に行われるのは、このような試験。


  • 内田クレペリン検査
  • YG性格検査
  • ロールシャッハテスト


適性試験は、学力や特別な能力は必要なく、並べられた数字をひたすら足し算したり、性格に関する質問にひたすら回答していくといった地味な検査です。



よほどのことがないと、この試験で落とされることはないので、安心してください。


身体検査

  • 視力検査
  • 色覚検査
  • 聴力検査
  • 身長・体重


身体検査では以上のような検査を行います。


視力検査は、0.7以上の視力を求めている自治体が多いですが、矯正視力(メガネ、コンタクト)でも可能なので、視力が悪い方も安心してください。


身長・体重に関しては、特に制限を設けていない自治体が多く、東京消防庁も令和5年度の採用試験から身長・体重制限が廃止されました。


消防官採用試験の身体制限の基準は、こちらの記事で詳しく解説してるので、参考にしてください!

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対策のメインは教養試験と面接試験

ここまで色々な試験についてご説明してきましたが、重点的に対策してほしいのは教養試験と面接試験です。


教養試験は、大学入試試験に比べると難易度自体は高くないですが、試験範囲が膨大で多くの受験生は教養試験(1次試験)で脱落します。

また近年は、面接試験の重要度が増しており、面接試験のできが合否を大きく左右します。


教養試験は、参考書を買うなど独学でも対応可能ですが、面接試験は独学ではなかなか対策が難しいので、予備校を活用するのがおすすめです。



体力試験対策はほどほどで大丈夫

消防士といえば体力が必要だから、他の試験に比べて体力試験の比率が高いと思いがちですが、そんなことはありません。


体力試験は、成績がいい人を合格させるものではなく、一定の基準に達していない人を切り落とす試験です。

実際、僕が消防官を受験した時、シャトルランがあり、上限100回のところを50回ぐらいでギブアップした受験生がいたのですが、しっかり合格して無事消防官になっていました。(シャトルランを50回でギブアップしたということで、印象的で顔を覚えていたのですが、消防士になった初日にその人がいて驚いたことを覚えています)


ですので、体力試験対策はほどほどで大丈夫なので、教養試験や面接試験対策にあてる割合を高めましょう!


高卒と大卒の違いってなに?

ここからは、よく質問を受ける、高卒と大卒の違いについてご紹介していきますね。


試験難易度の違い

採用試験の違いは、先ほども話したように受験区分の違いがあり、大卒はⅠ種、Ⅰ類、上級区分で、高卒はⅢ種、Ⅲ類、下級区分を受験します。


試験難易度は、大卒者が受験する試験の方が難しく、論作文試験では高卒者は作文試験なのに対して、大卒者は論文試験になります。

また、教養試験で出題される問題の難易度も大卒者が受験する試験の方が難しいです。


試験倍率の違い

東京消防庁の近年の試験倍率はこのような結果になっています。


Ⅰ類(第1回)

実施年受験者数合格者数倍率
2023年2,473人790人3.1倍
2022年3,356人364人9.2倍
2021年2,835人395人7.2倍
2020年2,976人437人6.8倍


Ⅰ類(第2回)

実施年受験者数合格者数倍率
2023年
2022年1,252人187人6.7倍
2021年
2020年747人118人6.3倍


Ⅲ類

実施年受験者数合格者数倍率
2023年
2022年2,742人428人6.4倍
2021年4,678人231人20.3倍
2020年4,005人522人7.7倍


ご覧のように、年によって差はありますが、高卒者が受験するⅢ類の方が倍率が高めになっています。


理由としては、東京消防庁を始め全国的に、高卒者採用に比べて大卒者採用の方が多いからです。


高卒消防士は狭き門だということが分かりますね!


消防官採用試験の合格倍率は、こちらの記事で詳しくまとめてます!

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給料の違い

東京消防庁の初任給

  • Ⅰ類採用者⇒約259,300円
  • Ⅲ類採用者⇒約221,800円


Ⅰ類採用者とⅢ類採用者では、初任給で3万円以上の差あります。

大卒者の方が初任給がいいのは、全国的に共通です。


また、大卒者の方が昇任に有利な場合があり、階級が上がることで給料も上がるので、大卒者の方が高卒者に比べ平均給料は高いでしょう。


ただ、高卒者でも努力して階級をどんどん上げることは可能ですし、働く部署によって給料も増減します。

僕の経験上給料面の違いは自分の努力次第なので、それほど気にする必要はないかと思いますよ!



仕事内容の違い

仕事内容は、大卒者と高卒者で違いは特にありません。

採用後は、全員消防隊に配属され、火事の消火にあたります。


その後は、それぞれの進みたい道(消防隊、救助隊、救急隊、予防業務等)を目指して努力するといったプロセスです。


高卒消防士に向いている人はこんな人

実際に高卒で消防士になった僕が思う、高卒消防士に向いている人はこんな人です。


高卒消防士に向いている人の特徴

  • 早くお金を稼ぎたい人
  • 早く経験を積みたい人
  • 特に大学でやりたいことがない人


1:早くお金をお稼ぎたい人

早くお金を稼ぎたい人に高卒消防士はおススメです。


大学生でもバイトをして稼げますが、消防士の給料に比べると、正直物足らないと言わざるを得ません。

大学生は、遊ぶ時間はあるけどお金がなくて困っているといった状態の人が多いです。


一方消防士は、大学生並みに休みも多いですし、使えるお金もあるので、僕は大学生の友達によく羨ましがられてましたよ。


2:早く経験を積みたい人

消防士は経験が全てなので、災害現場で活躍したいと思っている人は高卒で消防士になるべきです。


特に救助隊になりたい人は、体力がある若いうちでないと務まらないので、なるべく早く消防士になることをおすすめします。


3:特に大学でやりたいことがない人

特に大学でやりたいことはないけど、周りの友達が大学に行くから自分もとりあえず大学に行こう、というのはおススメできません。


もちろん大学を否定するつもりはありませんし、大学に行かないと学べないことやできないこともたくさんあります。


でも、消防士になりたい気持ちが少しでもあるなら早めになっておいた方がいいです。

なぜなら、消防士は他の職業とは違い年齢制限がありますし、その仕事内容の特殊性ゆえ、大学で学んだことを生かせることがかなり少ないからです。


まとめ:高卒消防士はメリットだらけです

ここまで見てくださった方は、私が高卒消防士をおすすめする理由が分かったと思います。


最後に高卒で消防士になるための方法を再確認しましょう。


高卒で消防士になる4ステップ

  • 受験する消防本部を決める
  • 学習方法を決める
  • 採用試験に合格する
  • 消防学校で約半年間の訓練を受ける


採用試験対策は、予備校を活用するのがおススメです。

実際に私も予備校を利用しました!


高卒で消防士を目指す方におすすめの予備校は以下の記事からチェックしてくださいね!

元消防士(予備校利用者)の私が予備校おすすめ7校を徹底比較

予備校名 料金 面接対策 通学or通信 校舎数(提携校含む) 資格スクール大栄 40万円 両方あり 92校 EYE 18万円 両方あり 3校 アガルートアカデミー 22万円 通信 7校 LEC 21万 ...

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