この記事で解決できる悩み
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救助隊は、消防士の中でも花形ポジションで、救助隊員として活躍したいと思っている人も多いと思います。
この記事を最後まで読むと、救助隊になる道筋を立てれますよ。
まず最初に「救助隊の概要」についてご説明しているので、是非読んでみてください。
まずは『救助隊になる方法』を知りたい方は、救助隊になるまでの3ステップをクリックして、該当箇所に飛んでください!
救助隊の概要
まず最初に、現在の救助隊の概要について紹介していきます。
※以下の内容は、令和4年版 救急救助の現況を参考にしています。
救助隊の数
現在日本には、1420隊の救助隊が設置されています。
そして、全国の消防本部数が723本部なのに対して、救助隊設置消防本部数は706本部で、設置率は97.6%。
全部の消防本部に救助隊があるわけではないんですね。
救助隊員の人数
救助隊員の人数はというと、現在24,339人となっています。
全消防職員の人数は167,510人で、救助隊員は全体の14%。
救助隊が、狭き門であることが分かりますね。
救助出動件数
令和3年の救助出動件数は99,395件で、5年ごとの推移をみると、右肩上がりに増加していることが分かります。
また救助出動の中で一番増えているのが「建物等による事故」です。
これは、建物に閉じ込められたとか、物に挟まったなど、建物に起因した事故のことを指しています。
救助隊の仕事内容
ここからは、救助隊が普段勤務中になにをしているのか、詳しく解説していきますね。
災害対応
言わずもがな、災害対応が救助隊の最大の任務です。
救助隊が活躍する現場はこんなところ。
救助隊が活躍する現場
- 火災現場
- 救助現場
- 救急現場
- 特殊災害現場
火災現場
火を消すのは消防隊の仕事、と思われるかもしれませんが、救助隊も火災現場で消火活動をします。
でも一番の任務は、逃げ遅れの救出です。
空気呼吸器を背負って、屋内に進入して要救助者を助けます。
救助現場
救助現場といっても、その内容はさまざまあり、
- 水難救助
- 山岳救助
- 高所救助
- 交通事故
- 建物内の閉じ込め
- 挟まれ現場
それぞれの現場で多種多様な能力が必要です。
東京消防庁のような都市部の消防本部では、水難救助専門部隊、山岳救助専門部隊など、それぞれの救助現場に特化した救助隊もあります。
救急現場
救助隊や消防隊も救急現場に出動することがよくあるんです。
例えば、心肺停止のような重傷傷病者や、かっぷくがいい大柄な傷病者の時に、救急隊の活動支援にあたります。
特殊災害現場
特殊災害現場とは、テロや放射性物質が飛散するような現場で、救助隊は防護服を着て災害対応にあたるのが任務。
特殊災害は、CBREN(シーバーン)災害とも言われており、それぞれの頭文字をとって名図けられています。
- C:chemical(化学)
- B:biological(生物)
- R:rediological(放射性物質)
- N:nuclear(核)
- E:explosive(爆発物)
CBREN災害の代表例は、1995年に東京で発生した地下鉄サリン事件です。
地下鉄サリン事件では、消防の救助隊や自衛隊の特殊部隊が活躍しました。
近年では日本でも襲撃事件などがあり、いつどこでCBREN災害が起こってもおかしくない状態です。
2023年に広島で行われたG7サミットでも、CBREN災害に向けた対策・訓練が入念に行われ、年々重要度が増している災害となっています。
災害対応訓訓練
上記で挙げた災害に対応するために、救助隊は日々訓練に励んでいます。
もちろん、消防隊も訓練はしますが、救助隊の訓練量は別格で、災害がない時は毎日朝から晩まで訓練の日々です。
救助隊の訓練内容
- 体力錬成訓練
- ロープ基本・応用訓練
- 検索救助訓練
- 各種救助器具取扱訓練
- 各種救助事象想定訓練
体力錬成訓練
体力錬成訓練は、消防の世界で通称「タイレン」と呼ばれており、ようはトレーニングのこと。
救助隊は体力自慢が集まっているので、救助隊のタイレンは別格にキツイです。
タイレンの内容は、
- ランニング
- サーキットトレーニング
- ウエイトトレーニング
救助隊のタイレンは、ベンチプレスのような重いバーベルを持ち上げるトレーニングは少なめで、ランニングや自重トレーニングがメイン。
救助隊では、筋肉量より、筋持久力を求められます。
ロープ基本・応用訓練
消防士と言えばロープ。
特に救助隊はロープ扱いに長けていますが、それも訓練のたまものです。
ロープを使った訓練には以下のようなものがあります。
- 結索
- 登はん
- 確保
- ロープブリッジ
検索救助訓練
検索救助訓練は、火災現場で煙が充満して視界が悪い中や、地震で倒壊した建物の中でも、要救助者の発見・救助をできること目標にした訓練です。
この訓練は、隊員全員で行う連携訓練ですね!
各種救助器具取扱訓練
救助隊は、めちゃくちゃ多くの資器材を保有しており、それぞれの資器材を扱えるように訓練しなければいけません。
全ての資器材に、操法という「基本の型」が決められており、その基準に基づいて訓練をします。
各種救助事象想定訓練
想定訓練とは、その名のとおり実際の災害現場を想定したうえで、行われる訓練。
この訓練を行うには、上記の訓練で基本を身に着けたうえで行う必要があり、救助脳が鍛えられます。
実際の災害現場で力を発揮するには、必要不可欠の訓練ですね。
救助技術大会
消防の世界では、1年に1回救助技術大会というものがあります。
これは、救助の技術をタイムで競う、いわば消防の運動会のようなもの。
救助技術大会は、本部大会、地区大会を勝ち上がると、毎年夏に行われる全国大会に出場できます。
救助技術大会の種目は陸上の部と水上の部に分かれており、種目は以下のとおり。
陸上の部(7種目)
- はしご登はん
- ロープブリッジ渡過
- ロープ応用登はん
- ほふく救出
- ロープブリッジ救出
- 引揚救助
- 障害突破
水上の部(7種目)
- 基本泳法
- 複合検索
- 溺者搬送
- 人命救助
- 水中結索
- 溺者救助
- 水中検索救助
救助隊は、春から夏にかけては、ほとんど救助技術大会に向けた訓練を行います。
救助隊の種類
救助隊の種類
- 救助隊
- 特別救助隊
- 高度救助隊
- 特別高度救助隊
救助隊の種類(番外編)
- 消防航空隊
- 国際消防救助隊
以上の6つについて一気に解説していきます。
1:救助隊
一般的な救助隊で、全ての救助隊の大多数を占めます。
以下で解説する救助隊に入るためには、まずは一般的な救助隊にならないといけません。
救助隊は、各消防署に1隊の設置が義務づけられています。
5人で一つの隊を編成し、人命の救助に関する専門的な教育を受けた隊員でないといけません。
2:特別救助隊
救助隊の一つ上が特別救助隊。
特別救助隊は、人口10万人以上の市町村での設置が義務づけられており、救助隊の内1隊を特別救助隊にしなければいけません。
3:高度救助隊
さらに上が高度救助隊。
特別区、指定都市、中核市で設置が義務付けられているほか、消防庁長官が指定する市町村でも義務設置です。
特別救助隊の内1隊以上を高度救助隊にしなければいけません。
また、それ以外の自治体であっても自主設置が可能です。
4:特別高度救助隊
救助隊の最高峰が特別高度救助隊です。
特別高度救助隊は、特別区と指定都市に設置が義務づけられており、全国に38隊しかいない、正真正銘救助のスペシャリスト集団です。
高度救助隊の内1隊以上が特別高度救助隊となります。
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番外編1:消防航空隊
消防航空隊とは、ヘリコプターに乗って救助に当たる隊のこと。
救助隊とは言いませんが、選りすぐりのエリート救助隊員が配属されます。
現在全国で77機のヘリコプターがあり、上空から市民の安全を守るために活躍中です。
消防航空隊について詳しく知りたい人は、こちらをチェック!
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番外編2:国際消防救助隊
国際消防救助隊とは、日本以外で発生した大規模災害で現地に派遣される救助隊です。
全国の救助隊員の中から、登録された救助隊員で編成されるチームで、直近では2023年2月にトルコで発生した地震に伴う派遣がありました。
全国の救助隊員から選ばれたメンバーで構成され、現時点最高の精鋭たちといっていいでしょう。
国際消防救助隊については、こちらで詳しく解説しています。
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救助隊になるための3ステップ
では、救助隊になるための方法を一緒に確認していきましょう!
1:消防士になる
救助隊になるためには、まず消防士になる必要があります。
消防士になるための手順はざっくりこんな感じ!
消防士になる3ステップ
- 受験する消防本部を決める
- その自治体の公務員試験に合格する
- 消防学校で約半年間の訓練を受ける
採用試験対策を、独学か予備校かで悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください!
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2:所属の推薦を受けて消防学校の救助科に入る
消防士になったら、まずは消防隊に配属されます。
その後、救助隊になりたい人は、所属の推薦を受けて消防学校の救助科に入校し、救助隊になるための勉強や訓練をします。
消防学校の救助科に入るには、自分の希望だけではなく、推薦が必要ですが、推薦を貰いやすい人はこんな人です。
こんな人が救助科に行ける
- 勤務成績が優秀な人
- 体力がある人
- 若い
- 上司に気に入られている人
勤務成績が優秀な人
救助科に入校するのにも費用がかかります。
その費用を負担するのは個人ではなく、自治体の税金を使うので、優秀な人材を選びますよね。
- 日頃の勤務態度が良好
- まじめで意欲的
- 現場活動や日々の業務でも力を発揮している
こんな人材が救助科に推薦されやすいです。
体力がある人
消防士の中でも特に体力が求められるのが救助隊なので、消防学校の救助科に入校するためには、体力が必要です。
消防本部によって基準は色々ありますが、一定ラインの基準を設定している消防本部もあれば、救助隊希望の職員で一斉に体力試験を実施する消防本部もあります。
どちらにしても、体力は1日の努力で向上するものではないので、日々努力することを忘れてはいけません。
努力する姿を上司は見ていますよ!
若い
若いほうが救助隊になりやすいです。
なぜなら消防士の定年は60歳ぐらいですが、救助隊は体力が必要なので、隊長クラスでも40代。
つまり救助隊としての寿命は短いので、できるだけ若い職員を救助隊に配属させ、長く経験を積ませる方が、組織としての力も上がっていきますよね。
こういった理由から、救助隊になりたいなら、高卒で消防士になるのがおススメですよ!
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元消防士(予備校利用者)の私が予備校おすすめ7校を徹底比較
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上司に気に入られている人
結局のところ、誰を推薦するかを選ぶのは人間なので、必ず主観が入ってきます。
なので、推薦する立場にある上司に気に入られるのが、推薦を貰える一番の近道かもしれません。
ただ、ゴマを擦りすぎると、周りの人に嫌われますし、実力がないのに救助隊になっても、しんどい思いをするのは自分。
しっかりとした実力をつけることの方が大切です!
3:救助科で訓練を受け、救助隊になる
消防学校の救助科では、計140時間、約1ヶ月の研修を受けます。
救助科の研修内容
- 講和(1時間)
- 安全管理(21時間)
- 災害救助対策(23時間)
- 救急(5時間)
- 救助器具取扱訓練(21時間)
- 救助訓練(30時間)
- 総合訓練(30時間)
- 体育(3時間)
- 効果測定(5時間)
- 行事その他(1時間)
救助科では、現役救助隊が指導者として出向して訓練をする機会が何度もあるのですが、これが一番キツイです。
初任科も約半年間、厳しい訓練を受けますが、救助科の方が初任科に比べて求められるレベルが高いので、また違った厳しさがありますよ。
救助隊に関するよくある質問3つ
救助隊に関するよくある質問に回答していきますね。
救助隊に関する質問3つ
- なぜ服はオレンジなの?
- 休みの日も訓練がある?
- 上下関係は厳しい?
質問1:なぜ服はオレンジなの?
オレンジは、国際救難色です。
なので世界中の救助隊がオレンジをベースにした服をきています。
また、暗い場所や煙の中でも目立つからという理由もあるみたいです。
全色の中で、一番目立つ色は赤と言われていますが、暗い場所や煙の中では、赤は目立たないので、オレンジを採用しています。
質問2:休みの日も訓練がある?
一定期間の間は、休みの日も訓練があります。
それは、救助技術大会の期間です。
期間としては、4月から長くて8月まで。
全国大会は8月なので、全国大会まで勝ち上がると、3か月くらいは休みの日も訓練がありますよ!
質問3:上下関係は厳しい?
救助隊は、消防の中でも一番規律があります。
そのため、訓練中はピリッとした雰囲気が流れていますが、特別上下関係が厳しいということはありません。
どちらかというと、隊員全員で同じ目標に向かって頑張る部活動のようなイメージだと思ってください。
救助隊はハードだけどやりがいがある仕事
最後までお読みいただきありがとうございました。
消防士時代に救助隊を見ていた僕の印象は、とにかくハードなという一言に尽きます。
でもその反面、やりがいもめちゃくちゃありますし、なにより救助隊員の目は生き生きしていました。
救助隊になるには、まず消防官採用試験に合格することが必須です。
消防士におすすめの予備校は、こちらの記事で詳しく解説しています!
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