消防士の内情

消防士の離職率は?辞める理由や離職のメリット・デメリットを解説

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「就職するなら、なるべく離職率の低い仕事で安定して働きたい!」と思われる方のために、本記事では「消防士の離職率」や「消防士を離職する理由」について解説しています。


これから消防士を目指す方、現役消防士で消防士を離職しようか悩んでいる方は、この記事を最後まで読み進めてみてください。


この記事の執筆者

たなんちゅ
  • 元消防士
  • 高卒ストレートで消防官採用試験合格
  • 指定都市の消防本部で消防隊員、救急隊員として7年勤務


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消防士の離職率はどのくらいか解説

令和3年の消防士の離職率は2.82%です。


令和3年度公務員の退職動向等調査」によると令和3年の消防士の離職者は4,738人、また「令和4年消防白書」によると、令和3年の消防士の人数は167,510人のため、計算して離職率を算出しました。


退職事由人数割合
定年退職2,781人58.7%
早期退職募集制度
による退職
92人1.9%
勧奨退職184人3.9%
普通退職1,573人33.2%
懲戒退職24人0.5%
死亡退職82人1.7%


消防士を辞める理由で最も多いのは定年退職です。

そのあとは、普通退職、勧奨退職と続きます。


個人的な理由で辞める普通退職者は1573人で、全消防職員の0.93%にあたります。


消防士を辞める人の年齢層を調査

消防士を辞める人の年齢層を紹介します。

今回は、個人的な理由で辞める普通退職者に絞りました。



普通退職で消防士を辞める方の75%以上は、35歳未満という結果になりました。


逆に35歳を超えると、普通退職の人数は一気に減ります。


35歳以上の子育て世代になると、安定感のある消防士を辞めるのは勇気のいる決断なのかもしれません。


消防士を離職する4つの理由

給与・雇用面で安定感がある消防士ですが、なぜ離職する人がいるのでしょうか。



一つずつ解説していきます。


理由1:給料が安い

給与・雇用が安定している消防士ですが、給与額で満足していない方は、消防士を離職する可能性があるでしょう。


働く上で、給料額は最も重要な項目の一つです。


他業種との給料比較

  • 平均給料:約311万円
  • 消防士:約636万円
  • 医師:約1,428万円
  • 看護師:約506万円
  • 警察:722万円


以上のように、消防士は全職業の平均よりも給与水準が高いです。


しかし周りを見渡せば、医師や弁護士、営業職など、消防士より給料が高い職業は多くあります。


消防士の給料よりも高待遇の職が見つかるのであれば、離職も選択肢の一つです。


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理由2:仕事が忙しい

業務量が多く残業時間が長すぎるので、離職を検討する方もいます。


なぜなら残業が続くと、自分の自由な時間や休み時間が削られて、心身ともに疲弊するからです。


たとえば毎日数時間の残業をしないと業務が追いつかないほど、忙しい部署もあります。


消防士は、本部や部署によって忙しさが全く違うので、業務量が多すぎて疲弊している方は、業務量が少ない部署に異動させてもらうのも一つの手です。


理由3:体力的に辛い

24時間勤務が体力的にしんどいので、消防士を離職する方もいます。


災害対応にあたる消防士は24時間勤務なので、深夜の仮眠中でも災害が発生したら、起きて活動しなければいけません。


オールナイトしたらしんどいと思いますが、あの感覚が毎勤務続く感じです。


たなんちゅ

消防士を辞めた先輩が、「消防士を辞めて規則正しい生活を送れるようになって、体調が良くなった」と言っていたのが印象的でした!


消防士には24時間勤務以外にも、平日日中が勤務の「毎日勤務」もあります。

24時間勤務が体力的に辛い方は、毎日勤務への移動も検討してください。



理由4:他にやりたい仕事が見つかった

他にやりたい仕事が見つかったので、消防士を離職する方もいるでしょう。


なぜなら給与面と同じく、仕事をする上でやりがいは重要だからです。


給与面ばかり追い求めても、仕事にやりがいを持てないと日々の生活が充実しません。


たなんちゅ

私の同期には、消防士になったものの実は警察官になりたかった人がいました。その同期は警察官への夢が諦めきれず、消防士を辞めて警察官になったよ!


自分のやりたい仕事をするのは、人生の充実度を高める方法の一つです。


消防士のリアルを赤裸々に紹介【離職しないために】

離職する方の中には、思い描いていた消防士生活と実際の消防士生活にギャップがあったという方が多いと思います。


「想像していた消防士生活と違う」とならないためにも、消防士の給料や勤務形態などのリアルを先に知っておきましょう。


消防士の給料

令和5年度地方公務員給与の実態」に基づき、消防士の給料をまとめました。


消防士の給料まとめ

  • 平均月給:約40万円
  • ボーナス:約152万円
  • 年収:約636万円


平均ですので、当然若いときの給料はもっと低いですし、年齢が上がれば給料は高くなります。


たなんちゅ

ちなみに高卒18歳で消防士になった私の初任給は、約16万円だったよ!


消防士の給料についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

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消防士の勤務形態

消防士の勤務形態は大きく分けて3パターンです。


消防士の勤務形態

  • 隔日勤務(2交代制)
  • 隔日勤務(3交代制)
  • 毎日勤務


隔日勤務は勤務が24時間なので、代わりに休みが多いのが特徴です。


たなんちゅ

非番日を含めると1ヶ月のうち20日程度は休みだから、自由な時間が多いよ!


消防士の勤務形態については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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消防士を離職するメリット

年間で約1,500人が普通退職していますが、普通退職者は消防士を辞めるのことで、何かしらのメリットがあると感じて辞めているはずです。


ここからは、消防士を辞めるメリットを考察していきます。



メリット1:規則正しい生活になる

消防士を離職して、夜勤がない仕事に就くなら、規則正しい生活を手に入れられるでしょう。


消防士の24時間勤務は、夜寝られない日もあり不規則な生活になります。


不規則な生活が続くと、体調面やメンタルに支障をきたす恐れがあります。


たなんちゅ

私も、勤務中に仮眠が取れないほど忙しい職場のときは、よく熱発したり風邪を引いたりしていたよ!


健康な体と心は生きる上で重要なので、消防士を離職して規則正しい生活をするのは大きなメリットです。


メリット2:危険な仕事から解放される

消防士を辞めた次の仕事が、同じ公安系や現場系の仕事ではなければ、危険な仕事から解放されます。


令和5年消防白書」の情報によると、令和4年の消防職員の殉職者は2人負傷者は1,253人も発生しています。


事由殉職者数負傷者数
火災1人180人
風水害等の災害11人
救急216人
演習・訓練等470人
特別警戒
捜索3人
その他1人373人


令和4年の全消防士の人数は166,287人なので、0.22%の職員が負傷している計算になり、いかに消防士が危険な仕事なのかを示す結果となりました。


危険な場所に行かない仕事(デスクワークや営業職など)に就けば、確実に消防士よりも安全は確保されます。


メリット3:今抱えている悩みから解放される

消防士を離職される方は、現在の生活になんらかの不満や悩みがあるはずですが、転職することでその悩みから解放される可能性があります。


悩みの例

  • 人間関係
  • 金銭面
  • 家族関係
  • 働きがい


このような悩みは、転職を気に解決できるかもしれません。


消防士を離職する場合は、「今ある悩みを解決できるか?」を基準に考えるのも一つの手です。


消防士を離職するデメリット

消防士を離職するメリットがある一方で、デメリットも存在します。


消防士を離職するデメリット


デメリット1:安定がなくなる

消防士(公務員)の一番の特徴は、雇用と給与が安定している点ですが、消防士を離職するとこの安定がなくなります。


一般企業は、業績や経営者の方針により、自身の能力の有無に関わらずリストラにあう恐れがあるでしょう。

これは中小企業に限らず、大企業にも同じことが言えます。


たとえば近年でいうと、富士ゼロックスや日産自動車などは大規模なリストラを敢行しています。


大企業の人員整理の事例

  • 富士ゼロックス:約10,000人の削減
  • 日産自動車:日産グループの10%(12,500人)の削減
  • 東芝:1,060人の早期退職を募集
  • NEC:3,000人の削減


不祥事を起こさない限りリストラの危険性がない公務員は、安定した人生設計ができるでしょう。


デメリット2:休みが減る

消防士を離職すると、休みが減る可能性が高いです。


なぜなら消防士の隔日勤務(24時間勤務)は、月20日程度が休みだからです。


消防士を離職後、週休2日制の会社に就職すると1ヶ月の休みが8日程度になるので、かなり休みが少なくなったと感じるでしょう。


たなんちゅ

ただし、隔日勤務の消防士は祝日や年末年始も仕事なので、働いている時間は多いよ!



給料への不満はあなた次第で解決する

上記の「消防士を離職する理由」の一つで「給料が安い」と紹介しましたが、給料に不満がある方は、消防士をしながら副業で稼ぐという手があります。


消防士は副業禁止ではないの?


たしかに消防士(公務員)は副業制限がありますが、禁止はされていません。


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消防士の離職に関するよくある質問

最後に消防士の離職に関して、よく寄せられる質問に回答していきます。



Q1:公務員の離職率は高い?

A 公務員の離職率は、雇用全体の離職率と比較すると低いです。


令和3年地方公共団体定員管理調査結果」と「令和3年度地方公務員の退職状況等調査」によると、令和3年の公務員全体の離職率は4.6%でした。(定年退職も含む)


一方で「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、日本全体の離職率は約14%でした。


このことからも、公務員の離職率が低いことがわかります。


Q2:消防士からの転職でおすすめの仕事は?

A 消防士から転職するなら、消防士時代のスキルを活かせる職業がおすすめです。


消防士からの転職におすすめの仕事

  • 医療関係
  • 大型自動車の運転手
  • 体を動かす仕事
  • 営業職など


消防士時代に身につけたスキルを活かせる職業だと、高待遇の仕事が見つかるかもしれません。


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まとめ:消防士の離職率はかなり低い!

消防士の離職率まとめ

  • 消防士の離職率は2.82%
  • 令和3年お普通退職者は1.573%(全消防士の0.93%)
  • 普通退職者の70%以上が35歳未満

消防士の離職率は、一般的な離職率に比べるとかなり低いです。


やはり給与・雇用の安定や、休日が多いなど、消防士には良い面が多いからではないでしょうか。


もしも、給与面で不満がある方は、公務員でもできる資産形成方法で、資産を増やす努力を始めましょう。


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