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公務員が病気休暇をとるデメリットは?取得する際の注意点や給料について解説

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病気休暇を取得するデメリット

  • 人事評価に影響する
  • 30日以上休むと勤勉手当が減額される
  • 復帰後は周りからの目が気になる

公務員が病気休暇を取得すると、上記のようなデメリットがあります。

しかし病気休暇は、手当を含めて給料が全額支払われ、短期間の休暇なら診断書も不要という特徴も併せ持っています。

本記事では、病気休暇の基本情報を解説し、病気休暇を取得する際の注意点をご紹介するので、病気休暇の取得を検討している方は参考にしてください。

この記事の執筆者

たなんちゅ
  • 元消防士
  • 高卒ストレートで消防官採用試験合格
  • 指定都市の消防本部で消防隊員、救急隊員として7年勤務

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公務員の病気休暇の基本情報

公務員の病気休暇は、病気や怪我で働けないときに利用できる制度です。

ここでは制度の基本的な内容として、取得できる日数や給料の扱い、診断書の要否などについて解説します。


病気休暇は1年間で90日以内

公務員の病気休暇は、1年間で最大90日まで取得することが可能です。

病気休暇については、国家公務員は「人事院規則 職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について」で、地方公務員は各自治体の条例や規則で定められています。

公務員の病気休暇は、風邪やインフルエンザなどの一般的な疾患から、骨折などの外傷、うつ病などの精神疾患まで幅広く対象となるのが特徴です。

病気休暇を取れる疾病例

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • ガン
  • 骨折
  • 精神疾患など

ただし、90日を超えて休む必要がある場合は、病気休暇ではなく休職扱いとなり、給料の扱いなどが変わってくるため注意が必要です。

制度を正しく理解して、必要なときに適切に利用しましょう。


給料は全額支給される

病気休暇中は、給料が満額支給されるため経済的な不安を抱えずに療養できます。

これは民間企業と大きく異なる点で、公務員の病気休暇の大きなメリットといえるでしょう。

なお、支給されるのは基本給だけでなく、住居手当などの各種手当も含まれます。

ただし、この全額支給は90日以内の病気休暇に限られています。


また、30日以上の長期休暇になると勤勉手当が減額されるので、その点は留意しておく必要があるでしょう。

それでも療養期間中の生活を支える制度として、公務員にとって安心できる仕組みになっているといえます。


8日以内の病気休暇なら診断書不要

病気休暇を取得する際、連続して8日以内であれば診断書の提出は必要ありません。

これは急な体調不良や軽い風邪などで休むときに、スムーズに休暇を取得できるよう配慮された仕組みです。

短期の病気休暇の場合は、上司への口頭報告や簡単な申請書の提出だけで対応できる自治体が多く、取得のハードルは比較的低いといえます。


一方で、連続8日以上の休暇や、1か月間に通算で一定日数以上休む場合には医師の診断書が必要になります。

なお短期間の休暇であっても、繰り返し取得する場合は職場から説明を求められることもあるため、必要に応じて診断書を用意しておくと安心でしょう。


週休日も病気休暇扱いとなる

病気休暇の期間には、土日などの週休日も含めてカウントされます。

たとえば金曜日から病気休暇を取得した場合、土日を挟んで月曜日まで休むと、週休日である土日も病気休暇の日数として計算されるということです。

この仕組みを知らずにいると、予想より早く90日の上限に達してしまう可能性があります。

長期療養が必要な場合は、この点を考慮して休暇計画を立てることが大切です。


公務員が病気休暇を取得するデメリット

病気休暇は安心して療養できる制度ですが、実際に取得するとデメリットもあります。


人事評価に影響する

病気休暇を取得すると、人事評価にマイナスの影響が出る可能性があります。

数日程度の短期休暇であれば大きな問題にはなりにくいものの、長期間の休暇繰り返しの取得は評価を下げる要因となりやすいです。

特に3か月以上の長期休暇を取った場合や、年に何度も病気休暇を繰り返している場合は、業務遂行能力や勤務態度の評価に影響が出ることがあります。


また、精神疾患での休暇は再発を懸念され、管理職への昇進や責任あるポジションへの配置が見送られるケースも少なくありません。

ただし、復帰後に真面目に勤務して実績を積めば、信頼を取り戻すことは十分可能です。

評価への影響を最小限に抑えるためにも、復帰後の行動が重要になります。


30日以上休むと勤勉手当が減額される

病気休暇が30日を超えると、ボーナスの一部である勤勉手当が減額される仕組みになっています。

4 部分休業その他これに相当する休業の承認を受けて勤務をしなかった期間が、第1項の期間及び前項の企業職員として勤務した期間を通じて30日を超える場合には、それぞれの期間ごとに第2項第4号の規定の例により算定した期間を合計した期間を除算する。

横浜市職員に対する期末手当及び勤勉手当に関する規則:第18条

勤勉手当は勤務成績に応じて支給される手当で、長期間勤務していない場合は評価の対象期間が短くなるため減額対象となるのです。


一方、もう一つのボーナスである期末手当は在籍していれば支給されるケースが多いため、影響は勤勉手当に限定されることが一般的です。

90日以内の病気休暇であれば給料は全額支給されますが、ボーナスに関しては別の基準が適用される点を理解しておく必要があるでしょう。


復帰後は周りからの目が気になる

職場に復帰した際、同僚からの視線や評判が気になるという声は少なくありません。

特に精神的な理由で休暇を取った場合、「メンタルで休んだ人」という情報が職場内で広まってしまうことがあります。

公務員の職場では噂が広がりやすい傾向があり、事実と異なる憶測を含めて話題にされる可能性もゼロではありません。


また、長期間不在だったことで業務の進め方や職場の雰囲気に変化があり、以前のように自然に馴染めるか不安を感じる人もいるでしょう。

こうした不安を軽減するには、上司とこまめにコミュニケーションを取り、無理のないペースで職場に慣れていくことが大切です。


病気休暇の取得方法

病気休暇を取得する際の手続きは比較的シンプルです。

病気休暇を取得する流れ

  • 体調不良・休暇取得の意向を報告
  • 診断書を用意する(8日以上休む場合)
  • 申請書の提出

まず体調不良を感じたら、速やかに直属の上司に連絡を入れましょう。

電話やメールで休暇取得の意向を伝え、おおよその休暇期間を報告します。

次に職場で定められた病気休暇の申請書を作成し、提出してください。

連続8日以内の休暇であれば医師の診断書は不要ですが、8日を超える場合や繰り返し取得する際には診断書の提出が求められます。

診断書は医療機関を受診して発行してもらい、申請書とあわせて人事担当者または上司に提出してください。

承認されれば正式に病気休暇として扱われ、給料も全額支給されます。

各自治体や組織によって細かい手続きが異なる場合もあるため、不明な点があれば事前に人事担当者に確認しておくと安心です。


病気休暇を取得する際の注意点

病気休暇を利用する際には、いくつか守るべきルールや知っておくべきポイントがあります。


療養中の旅行などの娯楽はNG

病気休暇は体調を回復させるための制度であり、旅行やレジャーなどの娯楽活動は原則として認められていません。

病気休職中の市職員、「療養に専念を」の指導に従わずイギリス旅行…停職6か月の懲戒処分「悪いとは思わない」

読売新聞オンライン

上記の事例のように、休暇中に旅行へ行ったことが発覚した場合、制度の悪用として処分の対象になる可能性があります。

たなんちゅ

個人的には、精神疾患に伴う病気休暇の場合は、趣味や旅行などで気分転換を図った方がいいのではないかと思いますが、世間的な目は厳しいようです。

軽い散歩やリフレッシュ程度の外出は問題ありませんが、明らかに療養とは無関係な活動は避けておきましょう。


90日以上休むと休職になる

病気休暇は最大90日までと定められており、それを超えても療養が必要な場合は病気休職へ移行します。

休職になると給料の扱いが大きく変わり、最初の1年間は給料が80%程度に減額され、1年を超えると無給になる自治体が多いです。

病気休職は最長で2年9か月まで取得できるのが一般的ですが、この期間が終了しても復職できない場合は、分限免職という形で退職となる可能性があります。

そのため、長期療養が必要になった際には、早めに今後の働き方や生活設計を考えることが大切です。


病気休暇の悪用は厳禁

病気休暇制度を不正に利用することは、懲戒処分や刑事告訴につながる重大な問題です。

「病院に行けないほどの体調不良」医療機関の受診を拒否 正当な理由なく23日間欠勤した29歳の女性職員を4か月の停職処分 年次有給休暇や病気休暇も使い果たし… 青森県

TBS NEWS DIG

このような不正を防ぐため、多くの自治体では診断書の原本確認を徹底したり、必要に応じて職員が医療機関に同行して事実確認を行ったりする対策を取っています。

また、短期間だけ出勤して再び病気休暇を取る「クーリング期間の悪用」についても監視が強化されているため注意が必要です。

制度を不正利用すると、自分だけでなく真面目に働く同僚にも迷惑がかかり、制度全体への信頼を損なうことになります。

病気休暇は助け合いの精神に基づいた大切な制度ですから、正しく活用することが求められます。


自分の体調と相談して賢く病気休暇を取得しよう!

病気休暇を取得するデメリット

  • 人事評価に影響する
  • 30日以上休むと勤勉手当が減額される
  • 復帰後は周りからの目が気になる

公務員の病気休暇は、取得しすぎると昇進の妨げになったり勤勉手当が減額されたりなど、いくつかのデメリットがあります。

しかし、自身の体調不良や怪我などで病気休暇を取得せざるを得ない場合もあるでしょう。

そのため病気休暇を取得する場合は、本記事で解説したデメリットや注意点をよく確認して、賢く病気休暇を活用してください。


公務員を目指すなら、予備校・通信講座の利用がおすすめです。

実際に、私も公務員予備校を利用して消防士と警察官の試験に一発合格できました。

おすすめの公務員予備校・通信講座は以下の記事でまとめています。

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